個性的な企画の多い映画館、吉祥寺バウスシアター。当日入り口のようす。鮮やかなポスターがいっぱい。



完全入れ替えなのでしばらく待つことに・・・「ハルファウイン」上映前の様子。入りはまあまあ。


上映終了後のホールの様子。なかなか人が帰ろうとしない。熱気が漂う。特に最後の回はかなり混み合っていた。

映画の上映後、大使館のデンゲズリ氏と雑談。

Kusaka
「本当にいい映画でした。チュニジアにはいい映画がたくさんあるんですね。」

デンゲズリ氏
「そうですね。ここ10年ほどはいい映画がたくさん作られています。来年あたりにチュニジア映画祭もやりたいと考えています。」

Kusaka
「それは楽しみです!是非お願いします。ところで、驚いたのは映画のスポンサーが、大使館だったり、チュニジア政府だったり、そうそうたる名前が多いことですが・・」

デンゲズリ氏
「もちろんです。チュニジアの映画はみな、政府の援助を受けてつくられているんです。」

チュニジア映画祭、本当に実現するといいですね。今回見逃した人もまだまだチャンスはありそう。次回は監督さんの講演なども聞きたいもの。若手作家の来日なんていうのも面白い。


Tunisian Films!


 9月25日木曜日、吉祥寺バウスシアターで開催されていた「アフリカ映画祭」に出かけた。特にその日は、昼12時半から夜9時まで短編も入れるとなんと計5本ものチュニジア映画が上映される。なかなか日本では観ることのできないチュニジア映画を一気に5本も観られるチャンスである。加えて当日は以前からメールをやりとりしていた方々とも会えるとあってずいぶん前から楽しみにしていた。

 日はこのサイトのB.G.M.でお馴染みのル・クラブ・バシュラフの演奏もあり、「エーサイダ」という作品の監督の舞台あいさつも予定されていた。しかも、これまた以前からメールをいただいていたジェリディ雅子さんのご主人も通訳で参加するという。

 て、当日、はりきっていたものの、結局私は午後5時の回からの2本しか観ることができなかった。それでも、その2本は期待以上によくできた映画で、十分に楽しめるものであり、後々まで心にのこるような新鮮な作品だった。残念なことに、最後に上映された「エサイダ」の監督は都合でこれなくなってしまったらしい。舞台あいさつはキャンセルとなった。代わりに、ショクリ・ジェリディさん(雅子さんのご主人)が舞台でもうひとつの作品、「チュニジアの少年」を紹介してくれた。

「ハルファウイン・チュニジアの少年」(90年 96分)
 チュニスの旧市街に住む少年、ノラ。彼の女性と大人の世界への興味の目覚め。思春期の不安定な精神状態が細やかに描かれた作品。
 イスラム教の国チュニジアでは男女の世界がはっきりと分かれている。ノラはちょうどそのあいだの時期、彼を甘やかす女性の世界から男性の世界に入ろうとしているその過渡期にいる。母親の前では子どもっぽくふるまい、街の青年たちには大人っぽく振る舞おうとしたどっちつかずの状態。しかし、 ついには女性の世界から追い出され、男性の世界に行くように言われ、戸惑う。(ハマム公衆浴場がそれぞれの世界を象徴している)そんなひとりの少年の成長を、チュニスの旧市街を舞台に、たくさんの個性的な人々やエピソード満載でコミカルに描いていて見た後の後味も悪くない。
 もう一つこの映画の楽しみは、旧市街、スークの生活(時代は少し前になるが)が体験できること。 まるで日本の下町のような庶民的で親しみやすい雰囲気と人情あふれた人々。一方で、街を襲う暗雲、反逆者(反政府主義者)に対する制裁など緊張した空気も漂う。時代は、チュニジアの初代大統領、ハビブ・ブルギバ政権の後期だろうか。そんな時代をどう成長していったのか、ノラのその後の成長も見てみたいような気持ちなった。


「エーサイダ」(96年 96分)
 チュニス郊外の貧しい地域エーサイダ。その街にインスピレーションを求めて移住した有名な画家、アミン。いい服を着て高級な車でやってきたよそ者を戸惑いながらも受け入れていく街の人々。そして、アミンが愛するエーサイダを忌み嫌い、脱出を夢見る少年、ニダール。アミンが街に馴染もうと努力している一方で、暴力を振るう父親への反感からどんどん犯罪に手を染めていくニダール。このままアミンを受け入れてくれるように見えた、エーサイダも結局、最後は彼を追い出そうと試みる。そして、アミンが最後の作品、エーサイダの街を描いた壁画を完成するころ、ニダールには意外な結末が待っていた。
 巨大な都市、チュニス。ヨーロッパと変わらぬ豊かな生活をする人々とニダールのような貧しい人々とが混在する街。まるで外国人であるかのようにエーサイダを眺めるアミンとその恋人。 チュニジアを旅すると誰もが気がつく、社会的な問題点をついた作品。彼らの他にも盲目のインテリ、スルタンが女性の足音に恋する話や街でハーブケーキを配り人々の痛みを癒す女性などあちこちにちりばめられた小さな物語が印象的で、楽しめる映画だった。


 2作品とも、重いテーマを扱っていながら、スカッとした後味のいい映画だった。そこがもしかしたらチュニジア映画の特徴なのだろうか。ひとくせもふたくせもある味のある登場人物も映画をいっそう魅力的なものにしている。両作品とも偶然、少年が主人公だった。対照的な個性ながら、二人ともチャーミングで、今後の活躍が楽しみである。

 いうわけで、すっかりチュニジア映画好きになってしまった一日だった。



ル・クラブ・バシュラフのお二人とダルブッカの藤井さん。


左がナイの竹間さんで右がウードの松田さん。


 て、お待ちかね19時からはル・クラブ・バシュラフのライブ演奏があった。30分という短いものだったが、会場の雰囲気をおおいに盛り上げてくれた。
 ラブの弦楽器、ウードの松田嘉子さん、管楽器(日本の尺八のよう)ナイの竹間ジュンさん、そして打楽器、ダルブッカの藤井良之さんの演奏。もちろん、チュニジアの曲を5曲、ここのB.G.M.の楽曲、「カイファ・ダール・ケース・アル・ホブ 」も最後に演奏された。
 で聞くのは私も初めて。アラブの音楽は大好きなのでもっともっとこんな機会が増えるといいのに、と心から思う。興味のある方は彼らのサイトをみてください。


 べての上演が終了。21時。しばらく会場で雑談。初めてジェリディさん夫妻に会う。不思議な感じだった。ちきさんとも初めてお会いして、その後は打ち上げ(??)に。一気に盛り上がったのだった。 (kusaka,1997/9/27記)



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