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6日目(2)ジェルバ島へ Kの日記 メディニンに着いたのは午後2時過ぎだった。今度はジェルバ島へ行く手段を探さねばならない。その前に異常な暑さだったのでひとまず近くのカフェへで休むことにした。ミントティーを頼んだ。たった0.18TD(18円ほど)。人が正直で親切な感じのいいカフェだった。(そこでトイレもかりたら、典型的なチュニジア式だった。二つの足場があり、その中央に小さな穴が一つあいている。もちろん紙もない。ホテル以外の場所ではごくふつうに見られる。) カフェを出てバス停とルアージュの乗り場でジェルバへ行く方法を尋ねる。バスは2.7TDだが出発は1時間後。ルアージュなら3.75TD。私たちは迷わず早くて楽な方を選んだ。 ルアージュを使ってジェルバまでは約1.5時間。かなり飛ばす運転手だったせいか、思ったよりも早く着く。チュニジアの道はどこもハイウェイのようなもの。ルアージュの運転手はたいてい気持ちがいいぐらいびゅんびゅん飛ばす。(事故のことを考えるとちょっと恐いが・・・) 途中、道の両脇に札束を握った人々が何人も並んで立っていた。運転手が、 ブラックマーケットだと説明した。リビアの国境がかなり近いのだ。 ジェルバまでの道は二通りある。一つは車やバスごと乗れるフェリーを利用する方法。そして、もう一つが橋というか、島まで続く道を通る方法。今回は初めて後者を利用することになった。 車がやっと2台通れるだけの細い道はほとんど海と同じレベルにある。両脇は大きな石がごろごろ置いてあるだけの簡単な堤防のみ。海が荒れることはめったにないのだろうが、これでは少しでも波があれば道は水浸しになってしまうだろう。暴れん坊の日本の海しか知らない私にとって、地中海はこれまでの海の概念とは全く違ったもののようだった。 懐かしいジェルバの街、フーム・スーク(Houmt Souk)へ到着した。今度が3度目だ。ここにはいつも決まって泊まるホテルがある。街の中心からはかなり離れたそのホテル(Lotus)へ重いバックパックを背負って歩いた。ホテルのフロントでは、無口な主人がいつものように握手で迎えてくれた。 彼は、2階の広いテラスのある3人部屋に案内してくれた。バス・トイレ・朝食付きで一人12.5TD(1250円)。夏なので前回よりもレートは高めなようだ。私たちにとっては今までで一番高いホテルということになる。でも相変わらず気持ちがいい。白い壁と青い窓。同じくチュニジアン・ブルーのベッドカバー。海の見える大きなテラス。開放的で清潔でそれに趣味がいい。そのわりには値段も手頃ではないだろうか。 少しの間部屋でのんびりと移動の疲れを癒すと、今度は夕ごはんを食べに街まで出かけた。ホテルの周りには小さな港以外何もない。街の中心までは歩いて5、6分というところ。 美しいビーチに恵まれたジェルバ島は西欧人のリゾート地として知られる。しかし、そんな美しいビーチのほとんどがプライベート。所有する高級ホテルの宿泊客しか利用を許されず、チュニジア人の生活の場からは遠く隔離されている。 私たちが滞在したのはビーチからはほど遠いジェルバ島の中心的街、フーム・スーク。それでも、訪れる観光客はタッタウインなどと比べものにならないほど多く、かなり観光化されてにぎやかだ。狭い道の両脇にみやげ物やがところせましとひしめいている。客の呼び込みも激しくうっとうしいほどだ。 まだ大分明るかったので、ちょっと一件のみやげ物やを冷やかしてみた。タピがどのぐらいの値段で売られているのか気になったからだ。タッタウインで他の二人が買った大きさのタピ(50TDだった)を見つけた。試しに値段を聞いてみると、なんと180TDもするという。でも二つで120で提案してみたところ、最後にはそれでいい、とあっさりと承諾した。結局、買いはしなかったが、値段はそのぐらいに落ちつくようだった。あんな値段で買う人が本当にいるのだろうか。まあ、誰かが買ってくれればラッキーというぐらいなのだろうが。 すっかり日も暮れた。夕飯は今日着いたバス停近くのレストラン・セントラルでとることにした。ごく普通のチュニジア人が食事をする大衆的な食堂といった感じの店だ。以前も利用したことがあり、値段もメニューにしっかり書いてあるので安心だ。アリコ・ブラン(Haricot Blanc/白いんげん豆)を2.0TDで。まあまあの味。人は親切だった。 ホテルに戻って、一階にあるバーでチュニジアのビールを飲んだ。ケルティック(Celtic)というブランドのもので1.25TDだった。高い上に弱くてとてもおいしいといえるものではない。無理もない。イスラム教徒の多いチュニジアではアルコールは本来禁止されているはずなのだから。 しかし、そのチュニジアでも今では結構おおっぴらにお酒が飲まれるようだ。このホテルも夜ともなれば地元の男たちの酒場としてにぎわう。とはいっても街の中心では酒を出す店を見かけることすらめったにない。つまり、酒を出すこと自体、外国人旅行客のいるホテルのみが許される特権なのだ。 夜は3人ともあっという間に眠ってしまったようだ。移動の日はいつも夜が早い。 |
![]() 簡単な石を積んだだけの堤防 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() Haumt Soukのカフェでスケッチ。 大勢の男たちが賑やかに会話を楽しんでいる様子。 女性は相変わらず見かけない。 (Kのノートから) |