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季節はずれの夏休み in Zarzis/Tunisia
寄稿: 植澤 晴夫
第一回「チェニジア・Zarzisへ」
チューリッヒ−チュニジア 間、凡そ1700km
Balair−Airbus 310、221人乗りで満席!
最高時速1000km/hで所要2時間
滞在予定: 06.Sep.98−20.Sep.1998

1998年9月6日(日曜日)、この日やっと私達夫婦の夏休みが始まった。
バーゼルから直通列車でチューリッヒ・クローテン空港へ。
出国審査の係員からは、旅券とパスポートをしばらく見比べられた。
「あなた、Djerba・ジェルバへ行くんですか?」「はい。」「ジェルバですよ?」
「はい、何か…」「いや、長年見てるけど日本人がジェルバへ行くというのは初めて
なんで」「???」。
私の後に続いたスイス人の家内が「何か、おかしいんですか?」と係官に質問。「い
や、日本人がチェニジアのジェルバへ休暇に行くなんてネエ。どうしても思いつかな
い。いや、考えられないもんだから…」「ハァ?」 ハテ何がおかしいのか?
ともあれ45分遅れで15時にチェニジアのジェルバへ出発。出発前にはしっかりチェ
ニジア用の電気コード・アダプターを空港内で買う。これでNotebookが現地で使え
る。
チューリッヒからアルプスを越え、テッシン−コモ湖−ジェノヴァ−ローマ−シチ
リア島を次々と眼下におさめ、飛行機は驚くべき速さでアフリカ大陸へ。チェニジア
の乾いた大地の上を少しだけ飛んで後はまた地中海の大海原。アフリカに入ってから
は速度を落とし、およそ30分かかってチェニジア最南端の島、ジェルバ飛行場に着
陸。先週スイス航空機がカナダで墜落した事故があったばかりなので、まあそれでな
くても普段も拍手はするけれども、この時ばかりは無事着陸した時に喜びで乗客全員
から盛大な拍手が沸き起こる。
チューリッヒでは雨が降りそうな気配で肌寒かったが、ジェルバ飛行場についたら
まるでサウナに入ったような暑さ。毛穴が一気に全部開いてしまった!
赤い地肌がむきだしの、殆ど草木がチラとしか見えない乾いた大地。よくこんなとこ
ろで人々が生活しているものだ、と少しばかり当惑。
家内の幼友達である夫婦が我々を車で出迎えていてくれて、彼らが住み、また我々
が休暇を過ごすべくホテルのあるZarzisへ。車で45分。道路は舗装されていて他の
車の姿はまばら。オリーヴの大木が目に付く。この大木は5千年も生きているそう
な。まさか! ホント?
ホテルに着いて、彼らは我々が旅装を解いて落ち着くまでいったん家に帰り、夕食
の終わった8時にまた歓談をしにホテルに訪ねてきてくれた。
着いたホテルは3つ星で、日本で言う2階建て。30年前に立てられたというように、
見かけは豪華だが中身はあちこち錆びつきガタがきている。広大な敷地に2つのプー
ルを擁し、玄関やレセプション・食堂などは、一見ものすごく豪華で清潔、クーラー
まで効いている。地中海に面し、ホテルの前は10kmもの長い砂浜。潮騒の音が絶え
ず聞こえて、休暇にはこれ以上は望めない環境だ。
ちなみに、ここに住むスイス人が予約してくれたせいなのか、料金は3食付きで一人
一日30ディナール(Sfr.40.--)。ウーン、安い! これは信じがたい安さだ!!
食事のメニューは大体、ジュースかスープ、サラダビュッフェ、鶏肉か魚か羊もし
くは牛肉のメインデッシュ、アイスクリームかケーキ、をそれぞれ選ぶ。調理はトマ
トをベースに使っている事が多い。
客はベッド数300に対し、もうシーズンも終わりということで、60人くらいしかいな
い。
殆どが定年退職した年齢層の人々で、ちらほら若いカップルも。ここでは我々はさす
がにまだ若年層の部類にはいる。素直に嬉しい気持ちだ。
会話はすべてドイツ語かフランス語。英語はまず聞かれない。1957年の独立まではフ
ランスの統治下にあったし、その後はヴァカンスにやってくる殆どがスイス人かドイ
ツ人、というわけで、ホテルや町中いたるところでドイツ語がハバをきかせている。
今いる客も殆どがスイス人とドイツ人のようだ。いたる所でスイスドイツ語・ドイツ
語が聞こえてくる。
さて、食事が済み、先ほど我々をホテルまで連れてきてくれた友人の夫婦が、また
ホテルまで訪ねてきてくれた。これから以下、この友人のスイス人について記してみ
たい。
この夫婦は、家内の幼友達のスイス人Fred(今年60歳)と、スイスにハンガリーから
5歳の時に親戚と一緒に政治亡命してきた(両親は殺害されてしまったので)スイス
育ちのBoriska、の夫婦である。
8年前から彼らはここ、Zarzisに住んでいる。この夫婦、なぜこんな辺境に住んでい
るのか、これはじっくり聞かずばなるまい。この夜、3時間ほどかけて彼らの人生を
根掘り葉掘り聞いてみた。
次回「FredとBoriska、彼らの人生」へと続く
お楽しみに。
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