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季節はずれの夏休み in Zarzis/Tunisia
寄稿: 植澤 晴夫
第六回「Zarzisで・その4」
*新妻Fest
昨夜夕食後にFredの家へ行ったら、なんと、隣の家で大きな音楽を流してお祭りを
やっているじゃないか!これは、早速取材をしなくちゃいかん。
隣の家では一ヶ月前に結婚式があったそうな。花嫁が17歳で花婿が27歳。三日三晩大
騒ぎをしてセレモニーをやったそうだ。この国では結婚にあたり、多くの結納金もし
くは物品を花嫁がわに支払わないと、そして花嫁がそれに対してOKを出さないと結婚
が成立しない。だから男は殆ど25歳〜30歳くらいになってやっと結婚する。しかも親
兄弟、親戚の援助、果ては借金までしてようやく、である。ただ、結婚式では日本の
ように参加した人々が「ご祝儀」を持ってきてくれるので、それが大変助けになる。
奥さんを3〜4人も持つなんてまず普通はできない。
これに対して花嫁の方は、申し込みに対してまず提示された支払い額または物品が妥
当であるか、そしてその男が自分に適当な人であるのか見定めて返事をする。結婚は
(少なくともするまでには)、女性にとって売り手市場ということですな。ひと昔は
もっと早かったが、今は16歳くらいから遅くとも20歳くらいまでには買い手が?つく
ようです。
それで隣のお祭りですが、結婚式が終わって一ヶ月間は新妻は家の中で何もしてはい
けない。掃除も料理も買い物も洗濯も……。ただじっとして、寝るなり散歩するなり
して遊んでおればよいのだそうだ。30日経つとやっとお客さんから家族の一員にな
り、その日の夜に盛大にお祝いをする、とこういうわけです。参加は誰でも自由で、
申し込み制。費用は新郎が持つ。飲み物と食事が用意される。
はたしてどんな事をしているのか?好奇心の塊である私はFredに無理矢理頼み込ん
で、2階の暗くした部屋から隣の家を恐る恐る覗いて見ました。(神様には勿論お許
しをいただきました…)すると………、アラビア語のアップテンポのPop音楽にあわ
せて、若い女性達がたくさん楽しく踊っているではありませんか!その数およそ30
人。サリーに身を包んでいる人、普通の洋装の人。サリーに身を包んではいても顔と
体の線はあらわにして。実に楽しそうにキャーキャー言い合いながら。しかし、これ
はイスラムの教え、「自分を楽しませてはナラン!」に反するのではないか!一緒に
暗がりから覗いているFredに、「楽しそうに踊っているけど、こんな事許されてるの
?」と聞く。「勿論。この時だけだけどね。許されていないのは覗きさ。」と笑っ
た。
「男どもが見えないけど?」「別の部屋で踊らないオバさん連中と飲んでおしゃべり
さ。飲んでといってもジュースやお茶だけどね。男女が一緒に踊るのは許されてない
んだ。」「へえーっ。そりゃ男どもかわいそうに。」「なんのなんの。話は女の子の
ことばっかりさ。この時とばかりに情報を仕入れて、目星をつけておくんだ。ダンス
が終わったら、あとで一緒にお茶会になるからね。」
フ−ン、やっぱりいろいろと抜け道はあるんだ。けっして親兄弟や親戚が結婚を決め
るわけじゃないって事か。
この夜、真夜中の1時までダンス音楽がうるさかったそうです。花嫁さん、明日から
はこき使われるんだろうか。
*チェニジアの原住民−Die Berber
始めに見た市場での日本人に似た現地人は、その後あちこち大きな市場を訪ねても、
あまり見かける事ができなかった。なぜか気になって、今日コーヒー店でFredに聞い
てみた。
彼はすぐに私の質問を理解してくれ、コーヒー店で働いている一人の若者を大声で呼
んだ。「こんな顔だろう?」なんと、そうです!まさにこんな顔だ。「彼らはこの
チェニジアにもっとも古くからいる原住民さ。Berber(ドイツ語で)と言う民族なん
だ。そうだなあ、確かに日本人にこんな顔の人がいるかなあ。でも、同じ顔はメラネ
シア・ポリネシアなんかでも見たよ。うん、言われてみればこれは確かにアジアン
だ。」なぜか、とても興奮しました。旧い親族に巡り合ったような気持ちです。おま
けに足が少し「オー脚」で曲がってます。「おおっ!」
「あんた、このJapaneseがお前のこと、Japaneseに似てるって
さ。」
「さあ、そう言われてもねえ。でもこの人、目が細いじゃない。」「何言ってるん
だ、お前だってけっこう細いぞ。」「まあね。でも似てるかねえ。うん、鼻が平べっ
たいところはオレと似てるかな。」
足だって似てますよ。(これは私)
彼らはもうあまりいなくて、特定の地域へ行かないと共同体としては存在しない。
Berber語もだんだん廃れていって、目の前にいる彼はZarzisの生まれでBerber語は話
せない。
だんだん、Berberの人達が住んでいる地域に行ってみようという気になってきた。
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