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季節はずれの夏休み in Zarzis/Tunisia
寄稿: 植澤 晴夫
第七回
この地へ来て一週間が過ぎた。
私にとって、この地でFred夫婦を知ったことは、大きな収穫であった。
彼らによって、まったく私の知らなかった世界の一端を知り、そしてこのZarzis
という町が、とても私の身近になった。
このFred夫妻は、自分の人生を自分で生きている。その彼らの生きざまを
他の人が非難しようとも、そんなことは彼らには関係が無い。
彼らに接した人は、すぐに彼らの人生を理解できるだろう。それを受け入れるか
どうかは、それは人によって違うだろうが。
自分の人生を自分で生きるということは厳しく、大変な覚悟が要ると思う。生半可
な事ではできない。それを彼らは見事にやりのけていて、私には彼らがとても
まぶしい。
唯一神アッラーを信じない者にとって、イスラムの世界は確かに遥か彼方にあり、
理解しがたい面を多々持っている。特に欧米キリスト教世界、資本主義の論理に
どっぷり浸かり、また「畏れ」と言う言葉を無くしつつある今日この頃の私たちや、
ご利益宗教を持ち「神とは?」という問いを持たない日本人には想像もつかない
事がこのイスラム社会には多い。
しかし、大切な事は、否定ではなく理解に努め認知してあげること。理解ある寛容の
精神がもっとも大事な事であることをFredは繰り返し言う。そして、自分の持っ
ている常識やモラルをもう一度考え直してみることも時としては必要である、とも。
また、イスラムという宗教に対して構えすぎると、そこに住んでいる人間を
見失ってしまう事になりかねない。禁欲の世界に生きてはいても、結構楽しく生きて
いる。酒を飲まず、美食を禁じ、女性を男性の目から隠してしまっても、彼らはこの
過酷な環境の中で、我々が考えるよりもはるかに大らかに生き生きとして生きてい
る。
何が楽しみかって?
そりゃあ一番の楽しみは家族さ。それから仲間と寝転がって話をしている時かな。こ
れがありゃあ、大きい立派な家や美味しいものなんか無くったって平気さ。そんなも
の幸せにゃなんの役にも立ちゃあしない。
のんびり家族と仲間で生きてゆけりゃ充分さ。インシャラーだよ。
まだまだ私の旅は続く。
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