ュニジア旅の ークル


チュニジア旅行記
寄稿: 越崎 健司

3月27日(木)  アインドラハムーブカリ家の人々と

 今日の夕方チュニスに向かうバスがあると聞いていたので、今日一日アインドラハ ムを歩いて回るために荷物をブカリ家に置かせてもらいに行った。すると、山に行く のなら案内する、とまたカリムとブカリ家の親戚が一緒に行ってくれることになった 。昨日とまた違う山に登ると、今度はいろいろな物が見えた。近くにはダムがあり、 遠くにはなんと地中海やアルジェリアの村まで見える。涼しい風とおいしい空気と合 わせて実に気持ちよかった。

 ブカリ家に戻ると、すでに昼食を用意して待ってくれていた。それが当然であるか のように知り合ったばかりの私をもてなしてくれるブカリ家の人々には本当に頭が下 がる。

 昼食後カリムと一緒に土産を買いに行った。私の土産はいつも食料品や雑貨品だ。 変に作られた土産品よりもその方がおもしろいし安い。しかし、実はチュニジアには デパートは当然のことスーパーマーケットもあまりない。あったとしてもなぜか町の 中心から外れていたり、目立たなかったり、中が薄暗かったりで私たちの思い描くも のとはかなり異なり利用しにくい。雑貨屋にはスーパーマーケット並にいろいろな物 が置いてあるのだが、キヨスク程度の広さのカウンターに置いてある一部の食べ物以 外は奥の棚に並べられているためよく見えず苦労した。

 結局今日の夕方でなく明日の朝早くのバスかルアージュでチュニスに向かうことに なったので、カリムと一緒に再びユースホステルに部屋を取りに行った。ところが、 なんと部屋が全て埋まってしまったそうだ。この町にはもう安宿はない。すると、カ リムが、家に泊まりに来い、と言う。明日の朝のチュニス行きのバスは早朝6時発だ 。いくらなんでもそれはできない。そこで近くのホテルに行き料金を聞くと、19TDだ と言う。あとになって考えると大したことのない額(2100円)なのだが、昨日まで4TD の宿に泊まっていた私は躊躇してしまった。カリムがまた私を誘ってくれる。そして 、・・・私はブカリ家に泊めてもらうことにしてしまった。そう、明日の朝早く出発 する私が泊まればブカリ家の人々に迷惑がかかることは分かっていた。知り合ったば かりの人の家に泊まることが旅行者として安全を考えたときに決してやってはいけな いことであることも分かっていた。だからブカリ家に戻る道で、やはりさっきのホテ ルに泊まる、と何度言おうとしたか分からない。しかし、申し訳ない、と私が言うと 、私はイスラム教徒であり君は旅人なのだからもてなすのは当然だ、ノープロブレム だ、とカリムに言われ、いろいろな人と接することが旅の一番の楽しみである私は、 結局ブカリ家に泊まれるというあまりに大きな誘惑に打ち勝つことができなかった。

 ブカリ家に着いてカリムが私が泊めてもらうことになったという事情を話すと、ブカ リ家の人々は困るどころか喜んでくれた。本当に、なんていう人達なんだろう。とは 言え、さすがに私もしばらくは申し訳なくて無口だった。するとブカリ家の人々まで 無口になってしまった。これでは余計に申し訳ない。もうこうなった以上このめった にできない体験を楽しむしかないだろう。結局夕食やその後の時間はブカリ家の人々 と一緒に楽しい時間を過ごした。

 夕食は相変わらず今までレストランでは見たことのない物ばかりだった。一番驚い たのはアーティショーである。突然こぶしの倍ぐらいの大きさのつぼみのような物が 鍋の中で茹でられているのを見たときには、そしてそれが食べ物であることを聞いた ときには本当に驚いた。これが食い物なのだろうか。実にグロテスクである。食べる ときには表面から花びらのような物をはがしていき、オリーブ油とレモン汁をあわせ た物につけて、その内側の半分ぐらいの色の白い部分を歯で削り取る。味は形容の使 用がない。今まで味わったことのない味だ。そして、卵とズッキーニを炒めた物。私 はズッキーニを食べるのは初めてだった。見た目も歯触りもキュウリや瓜のようなの に、魚のような生臭さがあった。いろいろな葉っぱも見せてくれた。それらは料理に 混ぜて香り付けとして使ったりお茶のようにして飲んだりするが、この葉はおなかに 効く、この葉は頭痛に効く、という具合にそれぞれが特定の病気に効くのだそうだ。 まるで漢方薬のようである。夕食で味わった物はおいしく、病みつきになりそうな物 もあったが、初めて見る物食べる物ばかりで、おいしいおいしくないという判断基準 よりもただただおもしろいという気持ちが頭を占め食事中自然と笑いがこぼれ出して きた。こんなに食事がおもしろかったのは初めてだ。

 夜は応接間のソファで寝かせてくれた。ブカリ家のお父さんも同じ部屋に寝てくれ 、明日の朝一緒に起きて見送ってくれることになった。


チュニジア旅行時、1TD(チュニジアンディナール)≒ 113円 、$1≒ 124円。時差 は8時間。
次へ


旅のサークルへ

    Copyright, All Rights Reserved for japon.net.(1996-1999)